てんかん発作・てんかんの頻度
●一生のうち数%の人は痙攣発作(熱性痙攣を除く)を経験する.1-2%の人は再発してんかんとされる.
●てんかんの発症年齢はもともと素因のある25歳未満が多いが,脳器質的疾患の増える高齢者にも多い.
●ここでは大脳皮質に存在する神経細胞の異常で,過剰な電気的放電が同期して発生することにより突然現れる行動の変化をてんかん発作(seizure)と呼び,全身または一部の筋肉が過剰な収縮をするに至った場合を痙攣発作(convulsion)と呼ぶ.また非誘発性にてんかん発作を繰り返す疾患をてんかんと定義する.
●てんかん発作の頻度
▶熱性痙攣は欧米では2.3%の人が経験するが〔Br Med J(Clin Res Ed). 1985 May 4; 290(6478): 1307-10〕,日本人では7%と多い〔Epilepsia. 1987; 28 Suppl 1: S71-81〕.
▶無熱性てんかん発作は人口の2-5%が経験する〔Ann Emerg Med. 2004 May; 43(5): 605-25〕.
▶てんかんは1.1-2.2%の有病率である〔MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2005 Oct 28; 54(42): 1080-2〕.
●てんかん発症年齢
原因
●てんかん発作の原因としては頭蓋内病変,薬物(アルコールを含む)の過量あるいは離脱,代謝性疾患を考える.
●頭蓋内病変は脳血管障害,外傷,脳腫瘍,感染症(脳炎・髄膜炎・頭蓋内膿瘍・感染性心内膜炎)を考える.
●抗てんかん薬服用中の場合は抗てんかん薬へのアドヒアランスの確認が重要である.
●代謝性疾患の中では低血糖が最も重要である.
●てんかん重積発作の原因
▶てんかんの診断が既にされている場合は,てんかん重積発作の原因の48-67%が抗てんかん薬の中断や不規則な服用である〔Am J Med. 1
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/ジアゼパム《セルシン ホリゾン》
- 治療薬マニュアル2024/ミダゾラム《ドルミカム》
- 治療薬マニュアル2024/ミダゾラム《ミダフレッサ》
- 治療薬マニュアル2024/フェノバルビタール《フェノバール》
- 治療薬マニュアル2024/プロポフォール《1%ディプリバン》
- 治療薬マニュアル2024/カルバマゼピン《テグレトール》
- 治療薬マニュアル2024/フェニトイン《アレビアチン ヒダントール》
- 治療薬マニュアル2024/ガバペンチン《ガバペン》
- 治療薬マニュアル2024/ラモトリギン《ラミクタール》
- 今日の救急治療指針 第2版/痙攣(重積症を含む)
- 内科診断学 第4版/血尿
- 今日の診断指針 第8版/てんかん
- 今日の治療指針2023年版/熱性けいれん(熱性発作)
- 今日の精神疾患治療指針 第2版/強直間代発作
- 今日の精神疾患治療指針 第2版/状況関連性発作
- 内科診断学 第3版/痙攣
- 今日の小児治療指針 第17版/てんかん症候群