診療支援
診断

14 慢性下痢症

総論

4週間以上の下痢を慢性下痢とする.

便失禁,医原性疾患(薬剤,腹部術後,放射線治療後),慢性感染症を除外すれば過敏性腸症候群が最も多い.

甲状腺中毒症と副腎不全は重篤化しうるため,早期に除外が必要である.

就寝中に排便のために起床,体重減少,血便,油ぎった便,貧血のいずれかがあれば精査が必要である.

程度を問わなければ,1年のうちに人口の5%が慢性下痢を経験する〔Am J Gastroenterol. 2018 May;113(5):660-9. PMID:29713027〕.

便の重量増加を伴わないが(200g/日未満),頻便や水様便を呈する疾患には,直腸炎,肛門括約筋障害(便失禁),溢流性の下痢などがある.

特に寝たきり患者では,糞便閉塞の合併症として溢流性に慢性下痢を認めることがある〔Am Fam Physician. 2014 May 1;89(9):739-40. PMI

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