アルコール性肝障害
◉日本酒3合(エタノール換算で80g)/日以上の飲酒歴がアルコール性肝障害を引き起こす1つの目安であるが,女性や高齢者はより少量でもアルコール性肝障害を来しうる.
◉アルコール性肝障害ではまず脂肪肝となり,その後肝炎や肝硬変に移行し予後不良となる.
◉治療は断酒が何よりも重要である.
◉飲酒はアルコール性肝障害だけでなくウイルス性肝炎の予後も悪化させる.
◉アルコール性急性肝炎は大酒家に発熱,右季肋部痛,黄疸で発症し,胆囊炎と見誤られることがある.
●アルコール性肝障害を来す飲酒量
▶個人差が大きく,エタノール換算で135g/日×20年で脂肪肝のこともあれば,80g/日×10年で肝硬変のこともある〔肝臓 1974;15(1):18-29. NAID:130000872097〕.
▶C型肝炎患者においては,アルコール摂取は20g/日であっても肝硬変を進行させる〔Aliment Pharm