診療支援
診断

9 甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症の症候

各々の臨床所見の診断特性は高くないため,複数の所見を組み合わせて検査前確率を見積もる必要がある.

新陳代謝低下による症状としては,倦怠感,動作緩慢,認知機能低下,寒がり,発汗減少,乾燥肌,便秘,過多月経,筋肉痛がある.

ムチン沈着による症状としては,体重増加,浮腫,嗄声,難聴,手指のしびれ(手根管症候群)がある.

身体所見では徐脈,無気力様顔貌,眉毛外側1/3の脱落,巨舌,粗雑な皮膚や毛髪,浮腫(特に顔面浮腫や非圧痕性浮腫),腱反射弛緩相遅延が重要である.

高齢者では非典型例が多いことと,重篤な粘液水腫性昏睡を来しやすいことが問題である.

甲状腺機能低下症の診断

深部腱反射弛緩相遅延,発汗減少,乾燥肌,粗雑で分厚い皮膚,冷たい皮膚,浮腫,体重増加,異常感覚,便秘,動作緩慢,嗄声,難聴,55歳以下の女性の13項目のうち,6項目以上あれば96.9%で甲状腺機能低下症(

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?