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11 抗リン脂質抗体症候群

抗リン脂質抗体症候群の臨床所見

動脈・静脈・小血管の血栓症や不育症に加えループスアンチコアグラント,抗カルジオリピン抗体,抗β2グリコプロテインⅠ(β2GPI)抗体のいずれかが12週間以上の間隔を空けて2回以上陽性となれば抗リン脂質抗体症候群と診断する.

静脈血栓症,脳卒中,皮膚潰瘍,網状皮斑(livedo),不育症,妊娠高血圧腎症が診断契機となることが多い.

血栓症はさまざまな動静脈に生じ,副腎静脈血栓からアジソン病を引き起こすこともある.

その他にも亜急性進行の認知症,てんかん,舞踏病,心臓弁膜症,溶血性貧血,血小板減少症など多彩な症候を呈しうる.

抗リン脂質抗体症候群の罹患率は1-2/10万人年,有病率は40-50/10万である〔Curr Rheumatol Rep. 2022 Jan 5;23(12):85. PMID:34985614〕.

抗リン脂質抗体症候群は原発性(53.1

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