手根管症候群の疫学
◉手根管症候群は40-60歳台の女性に特に多い.
◉妊婦,糖尿病,甲状腺機能低下症,手関節の反復労作,関節リウマチや透析アミロイドーシスがリスク要因として重要である.
●手根管症候群は絞扼性神経障害のなかで最も多く,次に多いのは肘部管症候群である.
●年間発症率は人口10万人あたり女性506人/年,男性で139人/年である〔Neurology. 2002 Jan 22;58(2):289-94. PMID:11805259▶〕.
▶女性では,妊娠時,更年期,若年での卵巣摘出術後,アロマターゼ阻害薬投与時に多いことからホルモンの影響と,解剖学的な手根管の狭さが関連していると考えられる.
●手根管症候群のリスク要因図
▶腱鞘炎,関節リウマチの滑膜炎,透析患者のアミロイドーシス,腫瘍・ガングリオン・骨折は手根管内腔を狭めるためリスクとなる.
▶妊娠による浮腫,肥満,甲状腺機能低下症(細胞外基