【小児によくみられる皮膚疾患とは】小児の皮膚疾患は,成人と同じ疾患においても症状や経過が違う場合があり,さらに小児特有の疾患も多く存在する.小児に多い疾患としては,主に感染による皮膚症状をはじめとして,湿疹・皮膚炎群や皮膚良性腫瘍などがある.これらをさらに全身性と局所性に生じる疾患に分類し,小児に特徴的あるいは鑑別が必要な疾患について記載する.
【小児の皮疹をみたら】下記の疾患を念頭において鑑別を行う.
1.全身性の発疹症(感染症)(表1-3)図
①突発性発疹:ヒトヘルペスウイルス6,7感染症.生後1~2歳頃までにほとんど罹患する.38℃台程度の発熱が数日続き,解熱直後ぐらいから全身に融合傾向のある紅色丘疹~紅斑がみられる.口蓋垂側方の丘疹(永山斑)が特徴的.②麻疹:麻疹ウイルス感染症.感染力が強く空気感染も起こす.二峰性の発熱後に全身に融合傾向のある浮腫性紅斑がみられる.口腔粘膜の白色丘疹(K