【思春期に多い皮膚疾患とは】思春期にみられる皮膚疾患は多彩である.思春期に増加する皮脂の影響で尋常性ざ瘡や脂漏性皮膚炎が生じ始める.アトピー性皮膚炎は皮脂の増加により思春期に軽快する症例が約30%程度ある一方で,約半数は改善せず症状が継続し,10%ほどは思春期に初発する.発汗量が12歳頃にピークを迎えることから,汗に関連する多汗症,異汗性湿疹,コリン性蕁麻疹なども思春期に多くみられる.また,この時期は部活動が盛んになり,接触スポーツによるTrichophyton tonsurans感染症が問題になることがある.その他,Gibertばら色粃糠疹,円形脱毛症,尋常性白斑の好発年齢は思春期も含まれ,毛孔性苔癬や後天性真皮メラノサイトーシスはこの時期に皮疹が目立ってくる.一方,成人でみられることが多い性感染症や化粧品による接触皮膚炎もこの年齢でみられるようになり,頻度は低いが膠原病も思春期の発症が
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治療
思春期に多い皮膚疾患
Skin diseases in adolescence
初出:今日の皮膚疾患治療指針 第5版
発行:2022年3月
収載:医学書院 医療情報サービス(2024年11月7日 掲-ID:hif_04593-05_a002z0004)
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