診療支援
治療

高齢者に多い皮膚疾患
Skin diseases in the elderly
福田 英嗣
(東邦大学医療センター大橋病院准教授)

【皮膚の老化とは】老化とは,加齢に伴い生体の恒常性維持能力が低下する過程でみられる現象のことをいう.生体を構成する蛋白や脂質,糖質が加齢に伴い質的・量的に変化することで形態的な変化が生じ,機能的な低下や免疫能の低下のため,種々の疾患に罹患しやすい.慢性的な紫外線照射は光老化により老化を増強する.

【高齢者の皮膚疾患をみたら】下記の病変の成因と特徴を考慮する.

1.生理的老化による皮膚の変化(老人性徴候)

1)皮膚は乾燥,粗糙化,萎縮,皺,たるみ,黄褐色調化,蒼白化と皮膚温低下がある.

2)毛髪は軟毛化と疎毛,白髪が出現し,眉毛・耳毛・鼻毛では伸長と硬毛化がみられる.

3)爪甲は肥厚し,光沢は乏しく,縦溝縦線や黄色化などの変化を示す.

2.高齢者特有の皮膚疾患

 老人性皮膚萎縮症,老人性色素斑,老人性白斑,老人性紫斑,老人性血管腫,静脈湖,陰囊被角血管腫,老人性脂腺増殖症,老人性面皰〔眼周囲に角質を含む著

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