診療支援
治療

痒みを主徴とする皮膚疾患
Pruritic skin diseases
端本 宇志
(防衛医科大学校講師)

【痒みとは】「ひっかきたくなる欲求を引き起こす不快な感覚」と定義される.欧米では経過が6週未満のものを急性の痒み(acute pruritus),6週以上のものを慢性の痒み(chronic pruritus),と分類している.通常は皮膚疾患に伴って生じるが,痒みの原因となる皮膚病変を伴わないこともあり,これは皮膚瘙痒症とよばれる.

【痒みを訴える患者をみたら】皮膚疾患に伴う痒みと伴わない痒みがあることに留意する(表1-11)

1.皮膚疾患に伴う痒み

①湿疹・皮膚炎:アトピー性皮膚炎,貨幣状湿疹,接触皮膚炎,皮脂欠乏性皮膚炎,Vidal苔癬,など.②蕁麻疹・痒疹群:急性・慢性蕁麻疹,血管性浮腫,急性痒疹,亜急性・多形慢性痒疹,結節性痒疹.妊娠性痒疹やpruritic urticarial papules and plaques of pregnancy(PUPPP),色素性痒疹など.③紅斑

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