【皮下硬結とは】皮下に周辺組織より硬く触れる病変を指し,真皮深層から脂肪組織に炎症性や腫瘍性病変がある場合に生じる.大きさは疾患によりさまざまで,皮下組織を中心に,炎症細胞浸潤,肉芽腫形成,線維化,腫瘍性増殖などの病理的変化が硬結として触れる.
【下腿の皮下硬結をみたら】皮下硬結は単発か多発か,熱感や圧痛の有無,静脈瘤や下腿浮腫の有無,基礎疾患や外傷歴を確認し,以下の鑑別疾患を考慮する.必要に応じて,血液検査や皮膚病理検査,画像診断,菌学的検索を行う.①感染症:蜂窩織炎,壊死性軟部組織感染症(壊死性筋膜炎),非結核性抗酸菌感染症,深在性皮膚真菌症.②脂肪織炎:静脈うっ滞やリンパ浮腫によるうっ滞性(硬化性)脂肪織炎,結節性紅斑,Behçet病やSweet病の結節性紅斑様皮疹,外傷性脂肪織炎,皮膚筋炎やエリテマトーデスによる脂肪織炎,好酸球性脂肪織炎.③血管炎:結節性多発動脈炎,ANCA関連血管