【水疱とは】いわゆる「水ぶくれ」.透明な水様性の内容をもち,天蓋に被膜をもつ皮膚隆起と定義される.水疱の内容は主に血漿成分と細胞成分からなる.放置された水疱の内容がゲル状に変化してくるのは,血漿成分のフィブリンを多く含むためと考えられる.細胞成分は主に表皮角化細胞と血液細胞からなり,特に赤血球を含んで赤色を呈した水疱を血疱とよぶ.疱膜が緊張しているものは緊満性水疱,たるんでいるものは弛緩性水疱とよばれ,主に水疱が形成される深さによって性状が決まる.緊満性水疱は,表皮下に水疱が生じるため疱膜が厚くなり,内圧が高くなって膨らんだ状態となる.弛緩性水疱は,表皮内または角層下に水疱が生じるため疱膜が薄く,容易に破れてびらんとなる.直径5mm以下の水疱を,小水疱と表現することもある.
【水疱をみたら】水疱を生じる要因はさまざまであるが,全身性に多数の水疱がみられるという状況は,それほど頻繁にみられるわ