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光線テスト
Photo-testing
川原 繁
(ソフィアひふ科クリニック院長)

【概説】光線テストは光線過敏症の診断確定および原因検索,作用波長の検索,さらには治療法の決定に有用な検査である.光線過敏症を疑った場合,積極的に光線テストを行うことが望まれる.


検査の進め方

1.スクリーニング検査

 光線過敏症のうち,外因性光線過敏症の光線過敏型薬疹,内因性の慢性光線皮膚炎,日光蕁麻疹,多形日光疹などでは,光線テストが特に有用である.一方,色素性乾皮症,皮膚ポルフィリン症,ペラグラなどでは光線テストの有用性は乏しく,ほかの検査により診断する.

 光線テストは,最初に光線過敏の有無を確認する目的で行うが,主な検査には中波長紫外線(UVB:ultraviolet B)照射試験,長波長紫外線(UVA:ultraviolet A)照射試験,および可視光線照射試験がある.①UVB照射試験(図2-22):UVB(290~320nmの波長域)に対する過敏性を確認する試験であり,光源には305nmをピーク波長とするサンランプを用いる.背などの非露光部に10~200ミリジュール/cm2のUVBを10段階程度の照射量に分けて照射する.24時間後に照射部を観察し,ごく淡い紅斑がみられる最小エネルギー量を最少紅斑量(MED:minimal erythema dose)とする.健常人のMEDは50~150ミリジュール/cm2とされる.したがって,MEDが50ミリジュール/cm2未満の場合,UVBに対する光線過敏があると判定される.②UVA照射試験(図2-23):UVA(320~400nmの波長域)に対する過敏性を確認する試験であり,光源には355nmをピーク波長とするブラックランプを用いる.背などの非露光部に1~10ジュール/cm2のUVAを数段階の照射量に分けて照射する.その際,光源に含まれるUVBを遮断する目的で透明な板ガラスを通すことが望ましい.24,48,72時間後に照射部を観

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