【概説】外用薬成分の多くは基剤が占める(重量比).皮膚の状態によっては,基剤効果が主剤効果を上回ることもある.外用薬を適切に使用するためには,基剤に関する知識が必要である.
外用薬に用いられる基剤としては,水系→油系の順に,①液剤(ほぼ水),②ローション(乳液,水中に油が少し入ったものを乳化),③ゲル(polyethylene glycol:PEG),④oil-in-water型クリーム(水中油型,バニシングクリーム),⑤water-in-oil型クリーム(油中水型,コールドクリーム),⑥軟膏基剤(ほぼ油),がある.
ゲル,クリームは,個々の製品で基剤の組成が異なる.例えば,イソジンゲルとポビドンヨードゲルでは,使用感が少し異なる.
軟膏基剤には,ワセリン,ラノリン,マクロゴール(PEG),プラスチベース(ポリエチレン加流動パラフィン),サラシミツロウがあり,それぞれの精製度,分子量,添加