【概説】①皮膚感染症に対する抗菌外用薬は,高濃度の抗菌薬を外用することで皮膚に局在する細菌に直接作用し,除菌する目的で使用する.皮膚の一般的な感染症では,黄色ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌が関与している場合が多く,これらに感受性のある薬剤を用いる.蜂窩織炎や膿瘍などの深在性細菌感染症では,外用薬では感染部位に薬剤が到達しないため,点滴あるいは内服による全身療法を行う.一方,抗菌外用薬は,局所に高濃度の薬剤を供給でき,全身性の副作用の懸念が少ない点で,表在性皮膚感染症の治療に有用である.②痤瘡は一般的な皮膚の感染症とは異なる扱いとなっている.対象となる細菌は痤瘡桿菌〔Cutibacterium acnes(旧称Propionibacterium acnes)〕であり,抗菌薬の選択においてもC. acnesに対する感受性が問題となる.また,痤瘡では面皰形成性がない基剤が選ばれていて,抗炎症効果の
診療支援
治療
抗菌外用薬
Topical antimicrobial agents
初出:今日の皮膚疾患治療指針 第5版
発行:2022年3月
収載:医学書院 医療情報サービス(2024年11月7日 掲-ID:hif_04593-05_a004b001z0005)
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