診療支援
治療

その他の薬
Other medicines
鑑 慎司
(関東中央病院部長)

Ⅰ ナルフラフィン塩酸塩(レミッチ)

【概説】レミッチは選択的オピオイドκ受容体作動薬であり,オピオイドμ受容体の作用に拮抗することにより痒みを抑える.

【適応】透析患者および慢性肝疾患患者の瘙痒症(既存治療で効果不十分な場合に限る).

【使用方法】

Px処方例 1)を用いる.重症例では2)を用いる.

1)レミッチOD錠(2.5μg) 1回1錠 1日1回 夕食前あるいは就寝前

2)レミッチOD錠(2.5μg) 1回2錠 1日1回 夕食前あるいは就寝前

【副作用】不眠,眠気,便秘,頻尿,プロラクチン上昇など.

□患者説明のポイント グレープフルーツジュースはレミッチの血漿中濃度を上げて作用を増強することがあるので,一緒に飲んではいけない.


Ⅱ プレガバリン(リリカ)

【概説】リリカの鎮痛作用は,中枢神経系の電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットと結合して,カルシウム流入を抑制し,神経伝達物質の遊離を抑制することによると示唆されている.さらにリリカは下行性疼痛調節系であるノルアドレナリン経路およびセロトニン経路にも作用する可能性がある.

【適応】神経障害性疼痛,線維筋痛症に伴う疼痛.

【使用方法】

Px処方例

リリカOD錠(75mg) 初期用量:1回1錠 1日2回 朝食後・就寝前 その後1週間以上かけて リリカOD錠(150mg) 1回1錠 1日2回 朝食後・就寝前 に増量する

(神経障害性疼痛の1日最高用量)

リリカOD錠(150mg) 1回2錠 1日2回 朝食後・就寝前

 高齢者はめまいや眠気による転倒のおそれがあるので,初期用量や維持用量はより低いほうがよい.

【注意点】帯状疱疹後神経痛の治療においては,電気が走るような痛みにはリリカを,焼けるような痛みにはトリプタノールを用いるとよい.

【副作用】傾眠,めまいが20%以上,浮腫が10%以上の確率で出現する.体重増加,眼障害が出ることもある.

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