診療支援
治療

小児アトピー性皮膚炎
Pediatric atopic dermatitis
加藤 則人
(京都府立医科大学教授)

病態

 基本的には成人アトピー性皮膚炎と同様である(,「成人アトピー性皮膚炎」の項参照).

【臨床症状】乳児期には主として頭皮や顔に湿疹がみられ(図4-8).顔面の症状に遅れて,頸部や腋窩など間擦部にも湿疹がみられるようになる.どの部位においても,病勢が強いとびらんを伴う.幼小児期には,顔面の皮疹は減少し,頸や肘・膝関節の屈側,腋窩,鼠径部,手関節部など擦れやすく汗がたまりやすい部位に湿疹が好発するようになる.体幹,四肢には乾燥皮膚や鳥肌様の毛孔一致性丘疹がみられる.


診断

【問診で聞くべきこと】基本的には成人アトピー性皮膚炎と同様だが,特に抗炎症外用薬による治療で軽快しない場合には,食物の摂取と皮疹の悪化の関連について詳しく問診する.乳児では2か月以上,幼児期以降は6か月以上左右対称性の湿疹が続くことがアトピー性皮膚炎の診断の根拠の1つになるので,湿疹の経過を聞く.

【検査とその所見】

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