病態
特徴的な皮膚炎をきたす代表的な皮膚疾患には,キク皮膚炎,シイタケ皮膚炎,水銀皮膚炎がある.キク皮膚炎は,alantolactone(helenin)が原因物質である.また,水銀による接触皮膚炎は,チメロサールが原因物質である.シイタケ皮膚炎は,シイタケ子実体から熱水抽出,精製される抗腫瘍性多糖体のlentinanが原因物質として有力だが,特定されるまでには至ってない.
診断
問診から原因物質を割り出し,パッチテストにて診断を確定する.
【鑑別診断で想起すべき疾患】アトピー性皮膚炎,日光皮膚炎,日光過敏症,慢性多形日光疹,その他の接触皮膚炎,皮膚筋炎,薬疹,内臓疾患に伴う皮膚炎.
【臨床症状からの診断】①シイタケ皮膚炎(図4-16)図:加熱不十分な生シイタケを摂取後,数時間から2,3日以内に強い瘙痒が出現する.搔破痕に一致した線状,播種状に配列する直径1~2mm程度の孤立性または集簇性の紅斑