病態
蕁麻疹の基本的な病態は,皮膚肥満細胞から放出されるヒスタミンなどの化学伝達物質により引き起こされる皮膚の毛細血管の透過性亢進や末梢痒み神経の刺激である.皮膚肥満細胞の活性化機序はさまざまで,抗原特異的IgEを介したアレルギー機序が最もよく解析されているが,薬剤や物理的刺激などが誘因となる場合もある.しかし,患者が特定の誘因を自覚しないにもかかわらず,自発的に肥満細胞の活性化が起きる場合も少なくない.この原因ないし誘因なく自発的に膨疹の出没を繰り返す場合が特発性の蕁麻疹である.このため日本皮膚科学会から公表された「蕁麻疹診療ガイドライン2018」では,蕁麻疹は特発性の蕁麻疹と誘因や原因が特定できる刺激誘発型蕁麻疹に区分され,前者は発症後6週間以内の場合は急性蕁麻疹,発症後6週間以上経過した場合は慢性蕁麻疹と区分されている(表5-1)図.
【頻度】病型別の頻度をヤフーバリューインサイト登録
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/ルパタジンフマル酸塩《ルパフィン》
- 治療薬マニュアル2024/クロルフェニラミンマレイン酸塩(d体)《ポララミン》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤《強力ネオミノファーゲンシー ネオファーゲン》
- 治療薬マニュアル2024/オマリズマブ(遺伝子組換え)《ゾレア》
- 今日の治療指針2024年版/じん麻疹・血管性浮腫
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/刺激誘発型の蕁麻疹
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/薬疹
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/免疫チェックポイント阻害薬による薬疹
- 臨床検査データブック 2023-2024/じん麻疹
- 今日の救急治療指針 第2版/蕁麻疹
- 新臨床内科学 第10版/3 じん麻疹,血管性浮腫
- 今日の診断指針 第8版/じん麻疹,アナフィラキシー
- 今日の小児治療指針 第17版/蕁麻疹