病態
血液検査で出血・凝固系に異常がなく,先天性に血管または結合織の異常,または血管支持組織の脆弱化により生じる紫斑である.
【病因・発症機序】全身性と局所性に分類される.前者に代表的なEhlers-Danlos症候群では血管壁成分であるコラーゲンの代謝異常により血管の脆弱化をきたし,ごく普通の行動でも出血斑と血腫を生じる.またコラーゲン合成に必要なビタミンC欠乏による壊血病は有名な疾患であったが,現代ではまれである.うっ血性紫斑は下肢静脈瘤症候群を併発していることが多く,血管内圧亢進によるうっ血が紫斑を生じる基盤となっている.一方,皮膚での血管支持組織の脆弱化によって生じる紫斑にステロイド紫斑,老人性紫斑がある.
【臨床症状】①ステロイド紫斑:長期のステロイド内服にて血管が脆弱化し,軽微な外傷で容易に大小さまざまな斑状の紫斑を形成する.打撲を契機に容易に広範囲の血腫を形成し,しばしば広範囲な
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/合剤 《シナール》
- 治療薬マニュアル2024/カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物《アドナ》
- 治療薬マニュアル2024/トラネキサム酸《トランサミン トランサミン》
- 今日の治療指針2024年版/紫斑
- 今日の治療指針2024年版/慢性色素性紫斑
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/皮膚硬化を主徴とする疾患
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/慢性色素性紫斑
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/その他の紫斑
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/好酸球性筋膜炎
- 新臨床内科学 第10版/4 レイノー病
- 新臨床内科学 第10版/5 全身性硬化症(強皮症)
- 今日の診断指針 第8版/皮膚アミロイドーシス