診療支援
治療

その他の紫斑
Other kinds of purpura
谷川 瑛子
(慶應義塾大学准教授)

病態

 紫斑をきたす明らかな素因または検査異常がなく生じる紫斑の総称.単純性紫斑,有痛性打ち身症候群,一過性の外的要因による内圧上昇によるもの(怒責性紫斑,陰圧による紫斑)などがある.またblack heelは悪性黒色腫との鑑別を要する,足底に生じた外的要因による紫斑である.

【臨床症状】①単純性紫斑:20歳代の若い女性の下肢に突然生じる点状紫斑で,1~2週間で自然消褪する.単純性紫斑のなかで,特に大きさが1~2cm,中心部淡青色,辺縁にやや黄色を帯びた斑状の紫斑が数個生じるものを“女子(再発性)深在性紫斑”といい,2~3週で自然消褪する.病理組織学的には真皮中・下層の出血であるが,原因不明である.②遺伝性単純性紫斑(Davis紫斑):常染色体優性遺伝性疾患で,単純性紫斑に類似するが,四肢の関節痛と全身の違和感を伴う.リウマチ因子陽性例が多いとされている.③有痛性打ち身症候群:自発痛,圧痛があ

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