病態
類乾癬は,炎症性皮膚疾患の1つで,Unna,Brocqらの報告によりBrocqが初めて提唱した疾患概念であり,その後いくつかの変遷を経て疾患分類にやや混乱を呈していたが,現在,表9-2図のような分類が一般的に受け入れられている.すなわち,局面型類乾癬と苔癬状粃糠疹に大きく2分し,それぞれ,大局面型と小局面型,慢性苔癬状粃糠疹と急性痘瘡状苔癬状粃糠疹に分類される.大局面型類乾癬は,現在では菌状息肉症の前息肉期(紅斑期)に相当すると考えられている.リンパ腫様丘疹症を苔癬状粃糠疹の一亜型とする考えもあるが,リンパ腫様丘疹症は,一般的にはCD30陽性リンパ球増殖性疾患に分類される.
【疫学】疫学データは乏しい.局面型類乾癬は,中高年に多く,ピークは50歳代にあり,男性に多いとされている.苔癬状粃糠疹は小児にも発症する.
【病因・発症機序】①類乾癬の疾患概念は,皮膚T細胞リンパ腫と慢性皮膚炎を橋渡
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