病態
表皮細胞の異常クローンの増殖が本症の本態と考えられ,病変部の表皮細胞によるp53の過剰発現との関連が示唆されている.病変の辺縁部では,有棘層の細胞の配列の乱れ,個細胞角化がみられ,その上層に不全角化細胞の柱であるcornoid lamellaがみられる.メバロン酸経路の酵素の遺伝的な活性低下によるRAS,lamin Bなどのisoprenylated proteinsの減少による自己炎症が病態に関与していると推察され,その面では,汗孔角化症は自己炎症性角化症の1つと考えられる.汗孔角化症の病変から扁平上皮癌,基底細胞癌が生じることがある.
【頻度】発症頻度は不明である.男女比ではやや男性に多く,発症年齢は幼小児期から老年期までさまざまである.
【病因・発症機序】常染色体性優性遺伝を示す症例も一部にみられる.病因として,メバロン酸経路の酵素をコードする4つの遺伝子(MVD,MVK,PMVK
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