病態
粘膜類天疱瘡は類天疱瘡の亜型で,基底膜部に対する自己抗体によって粘膜主体に水疱やびらんが生じる表皮下水疱症である.
【病因・発症機序】基底膜部の構成蛋白に対する自己抗体によって生じ,主な標的抗原はBP180(ⅩⅦ型コラーゲン:COL17)やラミニン332である.
【臨床症状】主に口腔粘膜に水疱やびらんが生じるが(図10-5)図,眼粘膜や咽頭,喉頭,食道,鼻腔内,外陰部,肛囲の粘膜が侵されることもある.びらんが上皮化したあとに瘢痕を残すことがある.皮膚に軽微な水疱やびらんがみられることもある.
診断
病理組織学的には粘膜上皮下水疱を呈し,水疱性類天疱瘡より炎症細胞浸潤は少ない.蛍光抗体直接法で,基底膜部にIgGや補体(時にIgA)の線状沈着を認める.蛍光抗体間接法で血中に抗基底膜部抗体(主にIgG)を検出し,1M食塩水剝離皮膚の表皮側に反応する場合(主に抗BP180型)と真皮側に反応する場合
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