病態
末梢の閉塞性循環障害による赤紫色~暗赤色の網目状の病変は総称して網状皮斑(リベド)とよばれるが,これは疾患名ではなく症状名である.網状皮斑においては,真皮および皮下脂肪組織境界部において,静脈網の緊張低下や動脈網の緊張亢進状態が生じているとされる.網状皮斑は,皮斑の形状から,閉鎖性の網目・分枝状・樹枝状模様を呈し一過性に消失する大理石様皮膚(cutis marmorata),持続的かつ不規則な網目状を呈する分枝状皮斑(livedo racemosa),閉鎖状かつ持続性に網目状皮斑を呈する網状皮斑(livedo reticularis)に分類される.また,下腿を中心に局所的な分枝状皮斑や有痛性紫斑を生じ,潰瘍や萎縮性白色調の瘢痕(atrophie blanche)を伴う疾患は,リベド血管症とよばれる.以前は,リベド血管炎とよばれていたが,組織学的に壊死性血管炎の像を認めず,血管内腔の閉