診療支援
治療

ヘモクロマトーシス
Hemochromatosis
吉崎 麻子
(東京大学)

病態

 ヘモクロマトーシスは,過剰な鉄が全身の組織にフェリチンやヘモジデリンとして沈着する疾患である.鉄代謝にかかわるHFE遺伝子の変異などによる遺伝性と,大量輸血や鉄剤過剰投与,肝疾患などによる2次性がある.遺伝性の患者は欧米では多いが,本邦ではきわめてまれである.2次性の原因は,長期間にわたる赤血球輸血が多くを占める.

【臨床症状】色素沈着,肝硬変,糖尿病が3主徴である.色素沈着は顔面や手背,前腕伸側などの露出部を中心とした全身にみられ,日本人では茶褐

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