病態
全身の骨脆弱性による易骨折性,反復する骨折による四肢変形を主徴とし,さまざまな程度の結合組織症状を示す先天性疾患である.
【頻度】約2万~3万人に1人とされている.
【病因・発症機序】①90%以上の症例では,COL1A1,COL1A2遺伝子のさまざまな変異による,コラーゲンの質的あるいは量的異常が原因である.COL1A1,COL1A2遺伝子以外の遺伝子異常が発見されつつある.②遺伝形式は,常染色体優性遺伝のものと常染色体劣性遺伝のものがある.
【臨床症状】骨変化が最も重要な症状であるが,全身の結合組織が侵され,関節弛緩,青色強膜,皮膚症状,歯牙(象牙質)形成不全,難聴,心血管異常など多彩な症状を生じうる.
診断
指定難病の診断基準を参考に診断する(指定難病274).
【鑑別診断で想起すべき疾患】Ehlers-Danlos症候群,虐待児症候群,原発性骨粗鬆症,低ホスファターゼ症,多骨性線維性骨異形成症の除外が必要である.
【問診で聞くべきこと】家族歴,骨折歴,眼症状の有無.
【臨床症状からの診断】骨脆弱性症状(易骨折性や進行性の骨変形など),成長障害,青色強膜,歯牙(象牙質)形成不全,難聴などがあれば本疾患を疑う.
【必要な検査とその所見】骨X線で,長管骨の変形を伴う骨折,変形を伴う細い長管骨,頭蓋骨のウォルム骨(頭蓋骨縫合線に沿ってみられる小さなモザイク状の骨),椎骨圧迫骨折,骨密度低下など.疑わしい症例では,遺伝学的検査を行う.
治療
整形外科的管理が中心となる.骨折頻度の減少を目的としてビスホスホネート製剤の投与が行われる.
Px処方例 2歳未満の場合
パミドロン酸二Na薬点滴静注用(15mg) 1回0.5mg/kg 点滴静注 2か月ごとに3日間連続
【予後と経過】生後まもなく死亡する場合から生涯にわたり明らかな症状を呈さない場合まで臨床像が多彩で,予後も症例によってさまざまである.
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