ここでは,内因性光線過敏症に分類される主な疾患(慢性光線性皮膚炎,日光蕁麻疹,多形日光疹)について述べる.
Ⅰ 慢性光線性皮膚炎
病態
慢性光線性皮膚炎(chronic actinic dermatitis:CAD)は中波長紫外線(UVB),長波長紫外線(UVA)から,時には可視光線(VL)に及ぶ幅広い波長域の光線に対して過敏性を示す原因不明の疾患である.
【頻度】比較的まれな疾患であるが,患者の多くは高齢男性である.
【病因・発症機序】病因は不明である.
【臨床症状】露光部に強い瘙痒を伴った湿疹病変,すなわち紅斑,丘疹が生じ,しばしば融合して苔癬化病巣を呈する(図19-1)図.進行すると,非露光部にも皮疹は拡大する.
診断
高齢男性で露光部にみられる湿疹病変とUVBからVLに対して著しい光線過敏を認めれば,本疾患が強く疑われる.さらに,鑑別疾患(光線過敏型薬疹,多形日光疹,晩発性皮膚ポルフィリン症など)が除外されれば,本疾患と診断できる.
【必要な検査】UVB,UVAおよびVLに対する光線テストを行う.慢性光線性皮膚炎はUVB過敏に加えてしばしばUVA,VLに対する光線過敏もみられる.なお,パッチテストおよび光パッチテストでは,時に種々の物質に対して陽性を示すが,陽性となった抗原物質が本症の原因ではないとされる.
治療
サンスクリーンの塗布などによる日常生活における遮光が必須である.外用薬には湿疹皮膚炎と同様にステロイド外用薬が用いられ,瘙痒に対してはH1ブロッカーが用いられる.なお,保険適用外であるが,シクロスポリン(ネオーラル)の少量内服やタクロリムスの外用が奏効することが知られている.
1.軽症の場合
Px処方例 下記を併用する.
アレグラ薬錠(60mg) 1回1錠 1日2回
ロコイド薬クリーム 1日2回 塗布
2.中等症以上の場合
Px処方例 下記を併用する.
ネオーラル薬カプセル(50mg
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