病態
神経堤起源性の色素細胞が皮膚および中枢神経系に増殖するまれな母斑症の1型である.皮膚では広範囲に色素性母斑を,また中枢神経系では同細胞の増殖による脳圧亢進,巣症状などを生じる.増殖する色素細胞にNRAS遺伝子変異が検出されて体細胞モザイクにより本症が生じると考えられている.
【臨床症状】皮膚病変は出生時,あるいは生後1年以内に発生することが多い.背部から臀部に好発する巨大な有毛性色素性母斑〔獣皮様母斑(giant melanocytic nevus,giant hairly nevus)〕とともにさまざまな大きさの色素性母斑が全身に多発する.巨大色素性母斑から悪性黒色腫を生じうる.中枢神経系(脳軟膜,時に脳実質)にも色素細胞が増殖する.中枢神経症状が顕在化しないことも多いが,顕在化すると脳圧亢進症状,巣症状やけいれん発作,精神発達遅滞などさまざまな症状を呈しうる.中枢神経系病変も頻度は