病態
古典的分類法による皮膚付属器腫瘍の分類は,folliculo-sebaceous-apocrine unitとよばれる発生学的な名称に基づき,毛包,脂腺,アポクリン腺を1つの単位として取り扱い,エクリン系と2つに大別する方法がとられている.さらに,最も分化した成分に基づき,エクリン系腫瘍,アポクリン系腫瘍,毛包系腫瘍,脂腺系腫瘍の4つに分類する方法も幅広く用いられている.一方,WHO分類では汗管系腫瘍をエクリン系とアポクリン系に分けず,毛包系腫瘍,脂腺系腫瘍の3系統に分類している点が大きく異なる.その理由は,厳密にエクリン系とアポクリン系を鑑別できない症例が多いためとされる.いずれの分類においても,病理組織学的に複数の成分が混在し(mixed features),きっちりと系統を分類することができないcomplex adnexal tumorsとよばれる症例も存在し,その際には優勢像