病態
毛細血管の増殖を主体とし炎症細胞の浸潤を伴う反応性の良性腫瘍.擦れなどの外力で容易に出血する.
【頻度】比較的,小児や青年などに多く,高齢者では少ないとされる.
【病因・発症機序】外傷の先行を認めることが多く,外的刺激に誘発される血管増殖が病因の主体と考えられる.組織学的にも動静脈吻合との関連が報告されていることなどから動静脈吻合の機能不全などを背景に,外力などの刺激による反応性の毛細血管増殖が本症の発症機序として考えられている.
診断
【問診で聞くべきこと】外傷の既往の有無,出血の有無,2次的な感染症状の有無などを問診で確認する必要がある.またどのくらいの期間で増大してきたかなどを確認する.
【臨床症状からの診断】皮面より突出した肉芽腫様外観を呈する結節のことが多い(図24-5)図.一部は有茎性となる.初期には点状の丘疹や斑のこともある.擦過などの外傷により容易に出血し,2次感染を伴うこともある.
【必要な検査とその所見】臨床所見より他の腫瘍との鑑別が必要なときは生検を施行して病理学的に確定診断を行う.
【病理組織検査】通常は伸展により薄く菲薄化した表皮に覆われ,その表皮下にいくつかの小葉状の毛細血管の増殖が巣状に認められることが多い.また腫瘍辺縁部の表皮稜が内方に延長して襟状を呈することがあり,本症の特徴ともされる.好中球やリンパ球の浸潤もさまざまな程度に認められることが多い.
治療
擦過などの外的刺激により容易に出血することが多く,処置および外科的切除にて摘除することが望まれるが,積極的な治療を希望しない場合には保護のみで経過観察とすることもある.
外科的治療としては腫瘍下部から流入する動静脈を含めて切除すること.また切除が難しい部位などでは電気凝固・炭酸ガスレーザー・液体窒素による冷凍凝固療法などで加療とする.
□患者説明のポイント 良性の腫瘍であり,血管の増殖を主体とする腫瘍
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