診療支援
治療

被角血管腫
Angiokeratoma
並木 剛
(東京医科歯科大学准教授)

病態

 被角血管腫の病因はさまざまであるものの真皮浅層に増殖する毛細血管の拡張を主体とし表皮の角化亢進を伴う血管腫である.主に病型として5つの型があり,単発型・Mibelli型・陰囊型・母斑様限局型・びまん型がある.

【頻度】各病型により異なるが,陰囊型では高齢者に多く,他の病型では若年者に多い傾向がある.

【病因・発症機序】単発型では外傷の既往を,Mibelli型では凍瘡の既往を有することが多い.陰囊型では加齢が,母斑様限局型では形成異常が,びまん型ではリソソームの蓄積が要因になるなど,病型により要因となるものは異なる.


診断

【問診で聞くべきこと】外傷・凍瘡など誘因となるべき既往の有無を問診する.またびまん型の場合には家族内に先天性のリソソーム蓄積症があるかなどを問診する.

【臨床症状からの診断】

1.単発型

 数mm大の暗赤色から濃青色の丘疹または結節を呈する.下肢に好発し外傷後に生じることが多い(

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