診療支援
治療

好酸球性血管リンパ球増殖症
Angiolymphoid hyperplasia with eosinophilia:ALHE
牧野 輝彦
(富山大学准教授)

病態

 好酸球性血管リンパ球増殖症(ALHE)は主に頭頸部に単発あるいは多発する紅色結節性病変であり,病理組織学的に真皮~皮下組織に膨化した血管内皮細胞よりなる血管の増生とリンパ球,好酸球の浸潤を認める疾患である.反応性病変や良性の腫瘍性病変などの可能性が提唱されている.アジア人と白人に多く,男女比に偏りはない.

【病因・発症機序】感染症,外傷,動静脈シャント,抗エストロゲン血症などが発症誘因として推測されているが不明である.近年,血管内皮細胞のチロシンキナーゼ受容体Tie-2をコードするTEK遺伝子に変異が検出された症例やT細胞リンパ腫を併発した症例も報告されているが,これらの病因的な意義は明らかではない.


診断

【鑑別診断で想起すべき疾患】木村病,皮膚・軟部組織の悪性リンパ腫,血管肉腫,Kaposi肉腫,真菌感染症,非結核性抗酸菌症などが挙げられる.

【臨床症状からの診断】ALHEは耳介周囲から

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