診療支援
治療

皮膚線維腫
Dermatofibroma
延山 嘉眞
(東京慈恵会医科大学教授)

病態

 皮膚の間葉系の増殖性疾患.皮膚良性線維組織球腫(cutaneous benign fibrous histiocytoma)ともよばれる.染色体異常が検出されることから,腫瘍性病変とされる一方で,外傷が契機になりうることから,反応性病変とする報告もある.発生に免疫抑制や妊娠の関与が指摘されている.


診断

 若年成人の四肢,体幹に生じる傾向がある.比較的女性に多い.

 直径1cmまでの単発あるいは多発する硬い結節を呈する(図24-9).2cmほどになることもある.典型的には褐色だが,ピンク,赤,黒褐色も呈しうる.多くの例で無症状だが,まれに瘙痒を生じる.典型例は長年変化しないが,増大する例や,逆に退縮する例もある.

 ダーモスコピーではfine pigment networkが特徴的であるが感度は低い.

 病理組織学的に,表皮突起の延長と基底層の色素沈着が目立つ.多くの例で腫瘍と表皮の間に間隙

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