病態
【病因・発症機序】①突発性発疹はhuman herpesvirus 6型(HHV-6)の初感染によって生じる乳幼児期の感染症である.HHV-6はヘルペスウイルス科に属する2本鎖DNAウイルスである.HHV-6はHHV-6AとHHV-6Bの2種類があり,HHV-6Bの病原性が知られている.HHV-6Bは乳児期に初感染し,幼児期以降HHV-6Bは唾液腺,骨髄前駆細胞,中枢神経に潜伏感染する.HHV-6再活性化が関係する疾患としては薬剤性過敏症症候群や移植後患者における脳炎が挙げられる.健常成人で病原性をきたすことはまれである.突発性発疹は生後6か月~2歳,本邦では1歳未満に多い.②HHV-7による突発性発疹は生後2~4歳とHHV-6よりも遅れるため,2回目の突発性発疹はHHV-7の初感染であることが多い.潜伏期間は9~10日,不顕性感染もある.母親からの移行抗体が消失する乳児期後半以降に,