病態
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)は主に乳児~幼児期にみられる黄色ブドウ球菌感染症の1つであり,発熱などの全身症状とともに,全身の皮膚に急速に広がる潮紅および水疱・びらんを呈する疾患である.細菌の産生する表皮剝脱酵素が,接着因子であるデスモグレイン1を分解することにより広範囲に表皮剝離が起こる.
【臨床症状】38℃前後の発熱,不機嫌,食欲不振などの全身症状がみられるとともに,咽頭発赤や頸部リンパ節腫脹および口囲や眼囲の潮紅や水疱,口囲の放射状の亀裂・びらん,眼脂などがみられる特有の顔貌を呈するようになる(図27-4)図.さらに頸部,腋窩,鼠径などの間擦部位に潮紅がみられ(図27-5)図,全身に熱傷様の表皮剝離やびらんを呈する.一見正常な皮膚に見える部位においても軽度の擦過による表皮剝離がみられるNikolsky現象も陽性となる.
診断
ほとんどの場合は乳幼児であること,および上記の
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