診療支援
治療

猩紅熱,その他の溶連菌感染症
Scarlet fever and Streptococcal infections
日野 治子
(関東中央病院特別顧問)

病態

 溶血性レンサ球菌(レンサ球菌)は,グラム陽性,一部のD群以外はカタラーゼ陰性球菌である.グラム陽性レンサ球菌はLancefield分類でA~V群(I,Jは除く)に分けられ,さらにヒツジ赤血球溶血状態で部分溶血のα,完全溶血のβ,溶血のないγに分ける.病原性を呈するレンサ球菌はβ溶連菌のA群(Streptococcus pyogenes),B群(S. agalactiae),C・G群(S. dysgalactiae subsp. equisimilis)およびD群である.

 溶連菌の1次的感染症としては,化膿性皮膚疾患(膿痂疹,丹毒,蜂窩織炎,膿瘍,壊死性筋膜炎,湿疹などの先行病変への2次感染),敗血症,咽頭炎,扁桃炎などである.ほかにも化膿性関節炎,骨髄炎,中耳炎,髄膜炎などの起因菌になりうる.

 A群β溶連菌は発赤毒(erythrogenic toxin, Dick toxin),スト

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?