病態
皮膚結核は結核菌(Mycobacterium tuberculosis)による皮膚感染症である.わが国では結核患者数の減少に伴い減少傾向にあるが,疾患認識の低下により,誤診や診断が遅れる例が増加しているともいわれている.世界的には発展途上国を中心とした地域にいまだ多数の結核患者が存在し,HIV感染の増大により,さらなる増加が懸念されている.また,わが国は先進国中では結核患者数が多く,さらに近年わが国への流入が増加している外国人による輸入結核も問題となっている.高齢者での結核の再燃や,抗腫瘍薬・免疫抑制薬などの使用による発症危険性の増大も懸念されている.乾癬を中心として皮膚科領域でも使用が増えている生物学的製剤による結核の再活性化も留意しておくべきである.皮膚結核は病変部に菌を認める真性皮膚結核と,菌やその代謝産物へのアレルギー反応で病変には菌を認めない結核疹に大別される.
1.真性皮膚
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