病態
異汗症は汗疱・異汗性湿疹に代表される主に掌蹠にみられる再発性の小水疱で,炎症を合併し瘙痒を伴うことがある.
【頻度】診療の際,遭遇する頻度は高い.
【病因・発症機序】異汗症(dyshidrosis)は手掌の汗停滞症に伴う小水疱を意味する.古代ギリシャ語の「泡」に由来する“pompholyx”が語源とされる汗疱,病理学的に表皮海綿状変化を伴う湿疹として異汗性湿疹を含み,手湿疹の派生的表現型との見方もある.本疾患の汗管との関連については諸説あり,いまだ結論は得られていない.本症の誘因として乾燥,皮膚炎,多汗,精神的ストレス,金属アレルギーなどがある.
【臨床症状】異汗症は掌蹠の小水疱と時に周囲の炎症を伴い,時間経過とともに膜様の落屑が水疱の中央から生じ遠心性に広がり融合する.出現・消褪を繰り返すことで角化と慢性皮膚炎を生じる.
診断
特徴的な臨床症状,経過,出現時の状況から診断できる.
【鑑別診断
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