診療支援
治療

男性型脱毛症
Male pattern hair loss
伊藤 泰介
(浜松医科大学病院教授)

病態

 今までいわれてきた男性型脱毛症(androgenetic alopecia:AGA)は,男性型脱毛症(male pattern hair loss:MPHL)と女性型脱毛症(female pattern hair loss:FPHL)に分けられるようになった.

【頻度】日本人男性の発症頻度は全年齢平均でおおよそ30%であり年齢とともに高くなる.

【病因・発症機序】MPHLでは,頭頂部や前頭部の毛乳頭細胞の細胞質に存在するⅡ型5α還元酵素によってテストステロンがジヒドロテストステロンに変換され男性ホルモン受容体に結合し,2量体を形成して核内に移動し標的遺伝子のプロモーター上のアンドロゲン応答配列(ARE:androgen response element)に結合する.その結果TGF-β,DKK1発現が誘導され毛母細胞の増殖の抑制,Wntシグナル阻害によって成長期が短縮し休止期が延長すること

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