診療支援
治療

爪の色の異常
Abnormalities of nail color
齋藤 昌孝
(慶應義塾大学専任講師)

病態

 爪の色の変化をきたす疾患は多数あるが,色調変化が爪甲自体の異常によることもあれば,半透明の爪甲を通して見える爪床の異常に起因する場合もある.異常と判断される爪の色として,白色,黄色,緑色,紅色,褐色,黒色などが挙げられる.また,爪の色に異常がみられるのが1本の指(趾)だけなのか,複数(あるいはすべて)の指(趾)なのかといったことも,原因となる疾患を推定するうえでは重要な情報となる.

1.爪の白色変化

 爪の一部が白く見える場合には爪甲白斑とよばれ,爪母の角化異常による真の爪甲白斑と爪甲直下の爪床の変化による見かけ上の爪甲白斑とに大きく分けられる.例えば,爪乾癬では,爪母の病変で生じた不全角化細胞塊が爪甲内に閉じ込められると爪甲白斑として観察される.さらに,爪甲内に白癬菌が感染する爪白癬においても爪は白色調を呈する.

2.爪の黄色変化

 一般的に,爪甲は厚みが増すにしたがって黄色調を呈すること

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