病態
肝疾患に関連する皮膚症状の多くは,肝臓での代謝異常や解毒・排泄機能障害により,代謝産物の欠乏や中間代謝産物,分解・分泌産物の蓄積や血中濃度上昇を反映する.肝疾患の原因が,肝炎ウイルスの場合は,ウイルスに対する免疫反応による皮膚症状が出現する.
【頻度・病因・発症機序】皮膚症状として頻度が高いものは,急性肝障害診断に重要な黄疸であり,慢性肝障害,特に肝硬変では,エストロゲン不活化障害による,手掌紅斑,紙幣状皮膚,クモ状血管腫,女性化乳房,性毛減少である.胆汁うっ滞では皮膚瘙痒症が起こりやすい.さらに頻度はまれだが,特徴的な臨床像を呈するものとして,蛋白代謝異常による晩発性皮膚ポルフィリン症,脂質代謝異常による黄色腫症,カロチン代謝異常による柑皮症,鉄代謝異常によるヘモクロマトーシスなどがある.また,肝炎ウイルス感染による皮膚症状としては,慢性蕁麻疹,扁平苔癬,慢性多形痒疹,粘液水腫性苔癬
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