1.現在の病状・病態
口から肛門までの連続した消化管の一部で悪性腫瘍により消化管の通過障害が起こっている状態です.悪性腫瘍による消化管の閉塞は自然に改善する可能性はほとんどなく,何かしらの加療を行う必要があります.食道・胃・十二指腸・口側小腸などの口から近い消化管の閉塞の場合には食欲不振,嘔気・嘔吐,腹部膨満感などの症状が出現します.大腸閉塞の場合には,食欲不振,嘔気,腹部膨満などに加え,腹痛などが出現しやすく,上部消化管と異なり圧が逃げにくいため,大腸が破裂し致死的になる危険性もあります.
2.治療目的
消化管閉塞に伴う症状の改善や腸管破裂の回避は迅速に行われる必要があります.ステント留置術は内視鏡を用いて消化管の内側から支えを作ることで閉塞を広げ通過障害を解除します.通過障害の解除により腹部症状を取り除き消化管を使った栄養摂取を行える状態にすることを目的としています1~3).
閉塞の解除