診療支援
患者説明

気管支喘息発作の治療
加畑宏樹
(慶應義塾大学医学部呼吸器内科・助教)

1.現在の病状・病態

 気管支喘息は,空気の通り道である気管支に炎症が生じ,気道が狭くなる病気です.特に,風邪などをきっかけに喘息発作が起きると,普段よりも気管支の内腔が細くなり,ヒューヒューいう音(喘鳴)がしたり,呼吸をするのが苦しくなったりします.

 発作の強さは小発作,中発作,大発作,重篤に分けられます(表1).

2.治療目的

 治療の目的は,気管支の炎症を抑えて,内腔を拡張させることです.気管支が広がると呼吸が楽にできるようになります.そのため,炎症を抑える薬と気管支を広げる薬を使用します.喘息発作の治療は約1~2週間程度かかります.発作が改善した後も,将来の喘息発作を予防するために,普段の喘息治療について見直す必要があります.

3.治療法の概略と効果

 発作の強さに応じて,後述のような炎症を抑える薬や気管支を広げる薬を使用します(表1).

1)β2刺激薬

 短時間作用型β2刺激薬は気管支を広

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