診療支援
治療

膿皮症
pyoderma
天野正宏
(宮崎大学教授・皮膚科学)

頻度 よくみる(急性膿皮症)

頻度 ときどきみる(慢性膿皮症)

GL化膿性汗腺炎診療の手引き 2020

治療のポイント

・急性膿皮症:膿皮症は元来,皮膚の化膿性病変であり,壊疽性膿皮症など必ずしも細菌感染症ではない疾患に対してこの語が用いられることがある.しかし一般的に,膿皮症と総括してよぶ場合には,ブドウ球菌,A群レンサ球菌を中心とする一般細菌による皮膚感染症であり,急性膿皮症の治療はこれらの菌を念頭に抗菌薬を選択することになる.

・慢性膿皮症(化膿性汗腺炎):本邦ではこれまで化膿性汗腺炎が慢性膿皮症と呼称されてきた.腋窩・殿部・鼠径部などの間擦部を中心に炎症性結節や嚢腫,排膿,瘢痕,瘻孔を繰り返す難治性皮膚疾患である.本疾患はこれまでアポクリン汗腺を主座とする細菌感染症と考えられていたが,現在は毛包を主座とする自己炎症性疾患と考えられている.これまで抗菌薬の内服と外用,外科的治療が行われていたが

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