頻度 あまりみない
治療のポイント
・臨床的羊水塞栓症と判断される場合,母体救命のためにすみやかにマンパワーの確保に努め,産科危機的出血の宣言を行い,初期対応を行う.
・初期対応として,輸血・凝固因子補充・凝固抑制・線溶抑制などを行う.
◆病態と診断
A病態
・羊水塞栓症は,胸痛・呼吸苦・意識消失などを分娩前後に突如発症し,急速にDICと呼吸循環不全が進行し心停止に至る「心肺虚脱型羊水塞栓症」と,胎盤娩出後の出血が非凝固性となり急激にDICが進行し,弛緩出血により産科危機的出血をきたす「子宮型羊水塞栓症」の2つの病態に分類される.
・羊水を主原因としたアナフィラクトイド反応が起こることが主原因であり,これによって難治性の子宮弛緩や重症呼吸循環不全を発症する.
B診断
・羊水塞栓症の最終診断は,肺または子宮の病理学的診断となるが,迅速な診断が必要であるため,一般的には臨床的羊水塞栓症の診断基準が用いられる.
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