▼概念
肝細胞癌は主としてB型肝炎ウイルス(HBV)あるいはC型肝炎ウイルス(HCV)の感染や非アルコール性脂肪肝炎,アルコール性肝障害などによる慢性肝炎および肝硬変に伴う持続性壊死・炎症および線維化を背景に発癌をきたす肝細胞由来の悪性腫瘍である.わが国では肝細胞癌患者の約70%はB型あるいはC型慢性肝疾患患者であり,また肝細胞癌患者の多くに肝硬変が併存している.このことから高危険群の囲い込みが可能となり,早期発見につながることが肝細胞癌の特徴の1つである.全世界においては,HBVの持続感染者は約3億5,000万人,HCVの持続感染者は約1億7,000万人と推定されており,国際的にも肝細胞癌に対する関心は高まっている.近年の画像モダリティの進歩に伴い,より小型の段階で発見される傾向であり,治療法の進歩もあり,わが国では予後は改善してきている.
▼病因・発癌機序
わが国における肝細胞癌の多くは
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