診療支援
治療

4 尿素サイクル異常症
disorders of urea cycle
中村 公俊
(熊本大学大学院教授・小児科学)

疾患を疑うポイント

●小児期に発症する高アンモニア血症の原因は,尿素サイクル異常症をはじめとする先天代謝異常症のほか,門脈体循環シャント,重症感染症や薬物など多岐にわたる.高アンモニア血症によって,傾眠,不活発,昏睡,けいれん,失調,嘔吐や食欲不振などがみられる.これらの非特異的な症状がみられた際に,血中アンモニア値を測定することが最も重要.

学びのポイント

●尿素サイクルは,シトルリン,アルギニノコハク酸,アルギニン,オルニチンの4種類のアミノ酸を変換する過程でアンモニアとアスパラギン酸由来の窒素を尿素に変換し体外へ排泄する代謝経路.

●高アンモニア血症による急性の中枢神経障害が主な症状.

▼定義

 尿素サイクルにおける尿素を生成する過程の酵素の欠損によって高アンモニア血症を呈する.

▼病態

 主に肝臓においてアンモニアから尿素を産生する経路であり,オルニチン,シトルリン,アルギニノコハク酸,アルギニン

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