診療支援
治療

3 慢性糸球体腎炎症候群
chronic glomerulonephritis syndrome
鈴木 祐介
(順天堂大学教授・腎臓内科学)

疾患を疑うポイント

●蛋白尿や(糸球体性)血尿などの慢性に持続する尿所見異常.

●感冒,上気道感染後の肉眼的血尿.

●ネフローゼ症候群などに伴う腎性浮腫の出現.

学びのポイント

●慢性糸球体腎炎症候群は,蛋白尿,血尿が慢性に持続する臨床診断であり,その原因疾患は腎生検による組織診断によって診断.

●発症からの経緯で,急性糸球体腎炎症候群や,急速進行性糸球体腎炎症候群と区別される.それらが最終的に慢性経過をたどる場合には,慢性糸球体腎炎症候群と判断される.

▼定義

 長期にわたる腎糸球体の炎症に起因する蛋白尿や(糸球体性)血尿の持続に伴い,腎機能障害やこれに伴う高血圧などの症候を示す症候群.

▼病態

 慢性糸球体腎炎症候群は,臨床診断名である.慢性に尿所見異常を惹起する糸球体炎症の原因は多岐にわたる.原発性糸球体腎炎の原因を特定するためには,腎生検による病理診断を要する.原発性糸球体腎炎の病理学的基本病型は,

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