診療支援
治療

4 筋強直性ジストロフィー
dystrophia myotonica(DM)
砂田 芳秀
(川崎医科大学教授・神経内科学)

疾患を疑うポイント

●筋強直症と特有の顔貌(斧様・ミオパチー様,前頭部禿頭).

▼定義

‍ 筋強直症(ミオトニア)を特徴とする常染色体優性のリピート伸長病で筋力低下・筋萎縮に加えて多臓器障害による多彩な症候を呈する.

▼病態

 第19染色体長腕のDMPK遺伝子の3'非翻訳領域にあるCTGリピート(DM1)あるいは第3染色体のZNF9遺伝子のイントロン1にあるCCTGリピート(DM2)の異常伸長が原因.リピートが異常伸長したtoxic RNAがスプライシング制御因子をトラップする結果,さまざまな遺伝子発現においてスプライシング異常が惹起されるため多彩な症状が出現する.

 リピート数と重症度が相関し,世代を経るごとにリピート数が伸長し,重症化する表現促進現象がみられる.

▼疫学

 有病率は10万人あたり約5人で,成人発症の筋ジストロフィーでは最も多く,大部分はDM1である.

▼診断

臨床症状

 ミオトニア現象は強

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